ファイルサーバ (兼マルチサーバ) 用ケースを安く購入するために
HDD 追加に伴う拡張スロット消費
HDD を追加してもシステムがそれを認識できなければ意味がない。通常の汎用マザーボードにおいては、HDD の拡張はマザーボード上の IDE ポートを消費することで 4 台まで追加可能だ。サーバ用等の特殊なマザーボードにおいては、マザーボード上に 2 つ以上の IDE デバイスのポートがあるが、これはトータルコストを考えると得策でないと思う。以降は通常のよくある安い ATX マザーボードを考える。マザーボードには 2 個の IDE ポートがあり、それぞれにマスターとスレーブの 2 個 IDE デバイスが追加できる。4 台以上 IDE デバイスを追加するにはマザーボードの拡張スロットを消費して IDE カードを追加する。多くの IDE カードは 1 枚で 4 個の IDE デバイスが追加できる。ATX マザーボードには拡張スロットが 7 個 (14 ポート) あり、マザーボードに載っている 2 ポートとあわせて最大で 16 ポート、合計 32 個の IDE デバイスが追加可能だ。
現実問題として 7 本の拡張カードスロットをすべて IDE カードで占められるとは考えにくい。なぜなら、今から構築しようとしているサーバはマルチサーバだからだ。性能は求めないがベーシックなビデオデバイスとサウンドデバイスとネットワークデバイスは欲しい。上に挙げた 3 つのデバイスはそれぞれ 1 本づづ拡張スロットを消費するだろう。しかし、チップセットでこれらをサポートしてくれれば拡張スロットの消費は防げる。チップセットはマザーボードに載っている各種デバイスを制御する足回りになるもので、負荷をかけるのは各デバイスの性能を落とす原因になるかもしれない。さらに、マザーボード直付けで取り替えができないデバイスであるために、性能アップが期待できない。ということで、チップセットがどのようなものになるかわからない以上、3 枚分の拡張スロットは消費されるものと考えれるべきだ。さらに、サーバはホームネットとインターネットのノードになるため両方のネットワークに向けて出入口を確保する必要がある。さらに、ネットワークの利用可能帯域を稼ぐためにもホームネットの各ノードはサーバと 1 対 1 でつながっていて欲しい。サーバと 3 台のマシンでホームネットが構成されるならば、さらに拡張カードスロットはマシン 3 台分の 3 本消費されて合計で 5 本消費される。
したがって IDE 拡張に割けるスロットは 1 本つまり 4 台の IDE デバイスの追加がミニマムということになる。先に述べたように最近のマザーボードには統合チップセットが搭載されている場合もあり、一般的なマザーボードに搭載されるチップセットを鑑みると、アナログディスプレイ出力と単純なサウンドデバイス (アナログ入出力とマイク入力) と LAN の 1 ポートはサポートされている場合が多い。したがって、最大で 3 本の拡張スロットの消費を抑えることができるだろう。この場合、IDE 拡張に割けるスロットは 4 本つまり 16 台の IDE デバイスの追加となり、これがマキシマムということになる。
HDD 追加に伴うベイ消費
ファイルサーバということで HDD は多いほうがいい。でも HDD の寿命を考えれば熱対策は必要。ということで以後の拡張を考えて 5 インチベイ 1 つにに 3.5 インチマウンタ 1 つをつけてここに HDD を装着することにする。ということで 5 インチベイの数は多ければ多いほうがいい。次に HDD の電源供給について考える。HDD の消費電力はスペックシートを見ればわかるが、おおよそ 1 台あたり 15W。マージンを考慮して 1 台 20W で計算。IDE 接続なら大体 4 台一組だから 1 枚の IDE カード追加で HDD4 台追加。4 の倍数の 5 インチベイが効率的。また、以後の拡張を考えると、5 インチベイを 3 個消費して 4 台の HDD を装着できる HDD ケージ、5 インチベイを 2 個消費して HDD を 3 個装着できる HDD ケージ、を考慮せねばなるまい。HDD ケージの付加価値は RAID などの付加価値もあるがとりあえず付加価値については目をつぶろう。とにかくこれら (4in3 や 3in2) を使えば、HDD 間の隙間が狭くなるため冷却性能は損なわれるものより効率的に HDD が増設可能だ。しかし、ファンなどによる強制冷却は必須だろう。これらをまとめると下のようになる。
追加方法 | 5インチベイの最小消費数 | 装着可能 HDD 最小増加数 | 増加効率 (増加 / 消費) | 冷却効率 | |
---|---|---|---|---|---|
1:1 HDD マウンタ | -1 | +1 | +1.00 | 3 ベイ当り 12 cm ファン 1 | Thermaltake iCage |
3:4 HDD ケージ | -3 | +4 | +1.33 | 3 ベイ当り 12 cm ファン 1 | STB-3T4-E3-GP,EX-34BII,SST-CFP51 |
2:3 HDD ケージ | -2 | +3 | +1.50 | 2 ベイ当り 8 cm ファン 1 | HDC-501BK,SF-7500 |
HDDの冷却重視型
HDDの冷却機構を重視するためにHDDは5インチベイに1つづつ搭載することにする。さらに5インチベイ3につき12cmファンを1つ搭載するので、3の倍数だと効率がいい。さらに、IDEカードは1枚で4台IDEデバイスの増設が可能なので、4の倍数だと効率がいい。ということで、5インチベイは12段一組だと都合がいい。12段の5インチベイだと、12cmファンx4、HDDx12、IDEカードx2。消費電力はHDDだけで約240W、2電源搭載型のケースが望ましい。
探してみると結構ある。Google検索:"5インチベイ"|"5.25インチベイ" "12個"|"12段"|"12基"|"12台"
Cooler Master社製CM Stacker STC-T01-UW/UW1
第1候補だろう。2電源搭載で12段可能。でも高い。無駄に高い。オークションでは出ても1万を下回ることはない。まぁぼちぼち探すかといった感じ。
Antec社製Twelve Hundred
派手だが別に悪くない。難点を挙げれば電源が1つしかつかないこと。でもオークションでは見かけない。
変り種の考察
Lian-Li社製のPC-343B
Google検索:"5インチベイ"|"5.25インチベイ" "18個"|"18段"|"18基"|"18台"で探すと面白いマシンが出てきた。18台の5インチベイを搭載できるそうな。HDD1台につき20W消費すると考えればHDDだけで360Wぐらいは必要だ。まぁ最近の大容量電源を搭載できればOKだが、大容量電源は高い。さらに9段2つということで搭載効率も微妙。3:4ケージで最大12個のHDD、2:3ケージで最大13個のHDDだ
両方を考慮した 5 インチベイの必要数
| 1 [段] 2 [段] 3 [段] | F [段] = x [個] * -------- + y [個] * -------- + z [個] * -------- | 1 [個] 3 [個] 4 [個] | | dF dF dF | dF = ---- * dx + ---- * dy + ---- * dz | dx dy dz | [ 1 2 3 ] [ ] | = [ ---- , ---- , ---- ] * [ dx , dy , dz ] | [ 1 3 4 ] [ ] | = [ 1 , 0.67 , 0.75 ] * [ dx , dy , dz ]
ということで、最も 5 インチベイを消費せずに搭載可能 HDD 台数を増やすには、2:3 ケージを使用するのが一番である。ただし、2:3 ケージ使用時の HDD 冷却機構には注意が必要だ。少し計算して、最も搭載可能な HDD の台数が多いケージの組み合わせを考えてみよう。基本的な関係式として下の 2 つの関係が成り立つ。
| F = x * 1 + y * 2 + z * 3 | G = x * 1 + y * 3 + z * 4
ここで
| x : 1:1 ケージの数 | y : 2:3 ケージの数 | z : 3:4 ケージの数 | F : 5 インチベイの消費数 | G : 搭載可能 HDD の数
である。x,y,z に関して言えば下の関係が成り立つ。
| x = 0, 1, 2, ... F | y = 0, 1, 2, ... floor(F/2) | z = 0, 1, 2, ... floor(F/3)
いま、ある F に対して最大の G を得る x,y,z の組み合わせが欲しい。式を変形して変数を 2 つに絞る。
| F = ( x + z ) * 1 + ( y + z ) * 2 | G = ( x + z ) * 1 + ( y + z ) * 3
これを解くと下のようになる。
| x + z = - 2 * G + 3 * F | y + z = G - F
同様に下の関係が成り立つ。
| x + z = 0, 1, 2, ... F+floor(F/3) | y + z = 0, 1, 2, ... floor(F/2)+floor(F/3)
このことより下の関係が成り立つ
| F =< G =< 3/2 F
これまでのことより下の図がかける。
| (y+z) | | | | * | | * | | # * | | # * | | F/2 ----#--* | G/3 -------# * | | #* | -2G+3F -------+-----# | | | *# | | | * # | | | * # | | | * # | | | * # | ---0+-----+-----------*-----#--------- (x+z) | 0 | | * | # | | | | * | | # | | | | * | # | | | | | *| # | | | | | |* # | | | | | | * # | | G-F F G 3/2F * #
よって y + z 軸上で 2 つのグラフは交わる時が G が最大の時であり、下の関係を満たす。
| G/3 = F/2 | G = 3/2 F
上の式をグラフの交点の式に代入すると下の 2 つの関係がなりたつ。
| x + z = 0 | y + z = F/2
上の第 1 式は x,z の両方が 0 のときのみ成立するので、y も決めることができる。
| x = 0, z = 0, y = F/2
ということで、最も多く HDD を搭載するには 2:3 ケージを搭載すればよいということがわかった。F が偶数のときはこのような理解でいい。F が奇数の場合も考えてみる。
| 1) F0 = 2 * n | y = n, x = 0, z = 0 | 2) F1 = 2 * ( n - 1 ) + 1 | y = n - 1, x = 1, z = 0
駄文
F は既知なので、x は下のようにかける。
| x = x(y,z)
また
| G - F = x * 0 + y * 1 + z * 1 | G - F = y + z
である。y,z には範囲があるので、G - F の範囲は下のようにかける。
| * y | * | * | | * | | * 15| | * | | * | | * | | * | | *| | floor(F/2) ------ 9+-----+ | |* | | | * | | | * | | 5| * | | | *| | | * | | |* | | | * | ----0+-----+--*----- z | 0 5| 9* | | | * | | | * | | floor(F/3) *
0 | 0 | 0 | 0 |
0 | 0 | 1 | 0 |
上に述べたことのまとめである。まず 5 インチベイ 12 個の場合。
必要 IDE カード | 搭載可能 HDD 数 | 1:1 | 3:4 | 2:3 |
---|---|---|---|---|
2 | 12 | 12 | 0 | 0 |
3 | 13 | 9 | 1 | 0 |
3 | 14 | 6 | 2 | 0 |
3 | 15 | 3 | 3 | 0 |
3 | 16 | 0 | 4 | 0 |
5 インチベイが 3 の倍数であっても効率的だ。結論、4 の倍数と 3 の倍数の共通部分である 12 の倍数がもっとも効率的だ。
5 インチベイの数はケースの大きさに比例する。12 個の 5 インチベイはマザーボードの拡張カードスロットをいくつ消費するだろうか。12 個の 5 インチベイに 1 つづつ HDD を装着するとして 12 個、マウンタを使用すれば
yahoo auction で買おうと思ったが電源 2 基とかを前面にプッシュしている品物が少なかったので製品名検索をかけたい。そのためには製品名がわからないといけない。製品名を調べるためにGoogle検索:ケース 電源 (2基|2台|3基|3台)で検索。3 基とかを入れているのは別に 3 台入っていても多い分にはかまわないから。どうやら2基とかをコーテーションマークで括るとうまくいかない。
わかったことをメモする。
やっぱり4Uとかが一番
マシンの台数が増えてくるとケースの大きさがまちまちなことが気になってくる。ということで、サーバ機によくあるExtended ATXが入って、拡張スロットが使えて、それなりにHDDとか増設できるようなマシンを考えると、4Uのラックマウントサーバという選択肢がでてくる。というか、今ではもうラックマウント以外の選択肢を考えていない。これが結構使えそうなきがする。後はブレードか。ブレードサーバもいいけれど、熱がこもりそうで心配。特に空調とか考えられていない部屋に置いておくにはブレードは危険度高そうな雰囲気。ということで、4U位が妥協点。まぁ、次のサーバは64ビットCPUで、Dual以上のコアで、Dual以上のCPU数で、4G以上のメモリを乗せたマシンを買うことにしよう。これでスレッドの勉強が多少役に立つ気がする。
キーワード的にどのようにしてyahoo auctionで探せばいいのだろうか。
- コンピュータカテゴリでエンクロージャ
- SCSI等のHDDやブレードをたくさん付けるためのケースになる。
- サーバーカテゴリでケース
- なんとなくそれなりの検索結果
- コンピュータかてごりで「サーバ ラック」「ラック レール」
- もしかすると掘り出し物。動作未確認のラック中身ありで安めのものあり。
4Uと3Uどっち?
1Uの高さは45mm、PCIカードの幅が107mmまでなので、3Uあればいわゆる拡張カードは縦にさせる。と言うことで、汎用のラックマウントケースにATXマザーを入れるなら3Uが一番密度が高くなる。24Uのケースに8台積めるが、熱がこもりそうだな。4Uあれば、端子カバー部分の上にファンが2つ付きそうだ。こうすると結構通気性がよさげ。まぁ4Uと3Uを勝手見て調べてみたいな。
ラックマウントで、5インチベイが縦に3段(必要な高さが3U)これの組が横に2つ。余ったスペースをFDD。5インチベイ2段で5台載せるので、HDD10台搭載可能。とかあったらいいなぁ。あったらいいなぁと思っていたらオークションで見つけた。75000だそうな。高すぎ。中身はいらんのでケースだけ売ってくれ。とにかく出ないかつ高いので、既製品をコストパフォーマンスがいいのかもしれない。
4Uだったら、5インチ縦に置いて10連出来そうだな。とにかく、5インチ基準で、FDDとかはマウンタで5インチベイにつけるようにしてあるといい感じ。特殊機構は無で。1Uの高さが44.45mm。5インチベイの寸法が146mmx42mmなら、できれば4U横置きで8個の5インチベイが欲しい。ebayで製品を探して、日本の代理店探してそこから買う感じ。
- LOGISYS CS4803BK
- AMAQUEST 4U T4510
- IPC-4090L
- Norco RPC-470
- TP/4055B-C
- CRM-4U-BK-4055
入れ物はどうする。
いくつ入るのが普通なのかなぁということで。35U(1815mm)、40U(2000mm)、40U(1965mm)、38U(1900mm)、24U(1200mm)、16U(715mm)、24U(1065mm)、24U(1264mm)、24U(1300mm)、18U(955mm)、40U(1820mm)、36U(1750mm)。こんな感じ。あんまり大きくてもどうかなぁと思うので、24Uあたりが妥当な線かな。
ケースより既製品?
前も書いたけれど、とにかくケースだけと言うのは高い。4Uにしても3Uにしてもラックマウントのケースは軒並高い。というか、出回らないし安くない。そんな訳で、サーバの既製品を買ったほうが安いのではなかろうかと思えてきた。スペックにはPCI-Xの133MHz、4から3の5インチベイ、1万円以下、ラックマウントできるもの、CPUは2台以上、メモリ4G以上。んで、@IT:IAサーバ製品カタログ:メーカー別製品一覧インデックスとかIAサーバ - Wikipediaを見つつ画策。
- コンピュータカテゴリで(ProLiant eServer e-Server xSeries "x Series" "IBM System" "HPC System" Express5800 PowerEdge HA8000 "Sun Fire" SunFire Xserve PRIMERGY Magnia)
- いろんなメーカのサーバシリーズの名前。結構いい感じ。ラックマウントできるサーバが色々出てくる。xwはいらないかな。
DELL PowerEdgeは独自マザーだそうな。ということではずしておこう。HP ProLiantはDLシリーズが詰め込み、MLシリーズが拡張性に特化。これに続くナンバーがよくわからん。探すときはMLシリーズかな。